「朝起きる時の腰痛がひどい」
「腰が痛くてディフェンスの時に腰が落とせない」
そんなお悩みで来店して頂いたこの方、実は私の同級生。
大分からわざわざ来店してくれました。
バスケットボールの選手なのですが、3年前から腰痛が気になりだし、病院のリハビリや県外の鍼灸院や整骨院、理学療法士の自費治療などを巡っていたそうです。
ですがマッサージ、鍼、電気など治療をしてもらったのに全然良くならなかったそう。
最近では腰痛が強くなり、前かがみの動作やディフェンスの姿勢で腰を落とすことが出来なくなってきたとのこと。
そして腰痛のため来月の大会を最後に引退を考えているとのことでした。
そんな中で私のSNSでの投稿をみてもらい問い合わせ頂きました。
結果としては、前屈の時の痛みがなくなり、ディフェンス時の腰を落とす姿勢も楽に取れる様になりました。
また「動き出しの痛みがないので動くのが怖くなくなった。」とありがたいことコメントを頂きました。
腰痛でスポーツのパフォーマンスに悩んでいる方もおられる方もおられると思うので、どんな治療をしたのかご説明いたします。
どんなことをしたの?
当院では始めから横になってマッサージする、なんてことはまずはありません。
どんなことが原因で痛みが出ているのか必ず問診をしていきます。
問診で原因を推測する
問診で気になった症状は2つ。
[box class="yellow_box" title="問診のポイント"]
・「朝起きる時がとても痛い。時間がたてば動かしやすくなるが、運動や日常生活で腰を使っていると徐々に痛みが出てくる」
・「バスケをして1試合目は痛みがないが、1時間くらい間が空いてまた動こうとするとガチガチに硬くなって痛みが出てくる。」
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実はこの2つ全く違う様で実は同じことが原因になっています。
それは「腰周囲の筋肉が疲労している」ということです。
どういうこと?
という方のために詳しくご説明していきますね。
現象1:朝起きる時に腰が痛い
慢性腰痛の方で朝一番に痛みが出て起きられないという方は多いです。
この原因は「腰の筋肉が疲れたまま寝ている」ということに起因します。
基本的に日本って準備運動はするけど、運動後の整理体操はあんまりやらないですよね。
まして日常生活で寝る前にストレッチして寝るなんて人は、ほぼいません。
ですので多くの方が「筋肉の血行の悪いまま寝てしまう」ということになります。
血行が悪いということは筋肉に大きな影響を与えます。それは、
1.新鮮な血液が行き届かないので体の回復に時間がかかる 2.痛みを出す"発痛物質"が溜まる
つまり「怪我したら治りにくく、痛みが出やすい」といった状況になるんです。
現象2;しばらく動くと良くなるが、腰に負担がかかる動きで痛くなる
血流が悪いだけで痛みが出るなんてホントかな?
と思うかもしれませんが、その証拠にしばらく動くと痛みが良くなっています。
つまり腰の筋肉の血流が良くなったために"発痛物質"が流されて痛みが消えたということになります。
ですが、負担になっている動き(バスケット、日常生活)でまた筋肉を使うとすぐに疲れて血流が悪くなり痛みが出る。
そんな負のスパイラルになっているんですね。
現象3:バスケの試合の間に時間が空くと腰がガチガチになる
この現象も朝の腰痛と同じ原理で起こっています。
つまり1試合後に疲れた腰をそのままにしておくことで、腰の筋肉に発痛物質が蓄積して痛みが出ている。
そういった状況です。
以上のことから痛みの原因は「筋肉を使ったままケアしていない」という可能性が考えられました。
体の動きのチェック
問診でおおよその予想を立てた後は、実際に動いてもらい評価をします。
この方の場合は主に2つの評価をしました。
1つ目:姿勢のチェック
この方の様子を見ていると、反り腰の傾向が見られました。
反り腰の方の大抵は腹筋と背筋の使い方のアンバランスが起こっており、自然と背筋を沢山使ってしまう傾向があります。
この体の使い方だと腹筋は伸ばされてしまうので、力は抜けやすくなり腰は不安定な状態に陥ります。
2つ目:実際に痛みがでる動きのチェック
次に痛みが実際に出ている"前屈"の動きをチェックしました。
すると通常に比べて股関節の動きが少なく、腰の動きが非常に大きい。
これはどういうことかというと、股関節の硬さを「腰が過剰に動く」ことでカバーしているということです。
「腰が過剰に動く」ということは自然と腰回りの筋肉の負担が蓄積されます。
それにより、疲労しやすい腰が出来上がるということに繋がってしまうんですね。
・反り腰で腹筋の力が入っていない ・股関節の硬く腰が動きすぎる ・筋肉のケア不足で筋肉が疲労している
問題点を解消するには?具体的な施術内容
先ほどの問題点を解消するためにとった施術としては、
1:腰回りのマッサージ
背骨の柔軟性を出すために、マッサージで血流を良くして腰回りの筋肉の緊張をとる。
2:股関節のストレッチ
股関節周り、特に後ろの面(梨状筋、ハムストリングス)の柔軟性を出す。
この2つだけでも痛みは緩和します。
ですが、ここで終わると実は不十分で3〜7日くらい経過すると、また腰痛がぶり返してしまいます。
そこで痛みがぶり返さないように、腰に負担がかからない正しい運動を脳に再学習する動作の練習を行います
3:腰に負担がかからない運動を脳に再学習する
この写真を見るとわかるのですが、まずビフォーの動画では「体をあまり倒さないで」立っています。
この動きをすると足に力が入りにくいので、背筋を使い体を反らせて立つような形になります。
このような背筋を使って行う動作が積み重なると徐々に筋肉が疲れてしまい痛みに繋がります。
一方アフターの動画では「体を倒して」立てているため、足に力が入りスムーズな立ち上がりを実現しています。
以上のことからこの方の場合のポイントは
・腰を反らない ・あばらと骨盤の距離が変わらない
この2点を意識して立ち上がり練習を行いました。
こうすることで背筋の力に頼った動きではなく、股関節の動きを正しく出していくことが出来ます。
この様に力の入れ方や体の使い方を反復して練習することで、脳が動きを学習して意識しなくても正しい動きが身につく様になります。
正しい立ち上がりの方法について詳しく知りたい方はこちらの動画で解説しています。
[box class="red_box" title="具体的な施術内容"]
・腰の筋肉のマッサージして血行の改善
・股関節、背骨の硬さを取り除き腰の負担の軽減
・立ち上がり練習で正しい動作を覚える
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どんな結果になったの?初回の施術結果は?
今回初回の施術をおこなった結果、前屈時の痛みがなくなり、ディフェンス姿勢も取れるようになりました。
そして冒頭のように「動き出しの痛みがないので動くのが怖くなくなった。」とコメントもいただくことができました。
ウォークランプロジェクトからのコメント
[voice icon="https://walkrun-project.info/wp-content/uploads/2019/07/o1860594c574fcc259067a750cece5b1b_4620693218535158959_190713_0008-removebg-preview.png" name="森" type="l fb"]朝腰が痛い方は寝る前のストレッチをしっかりやってみて下さい。[/voice]
引退を考えるほどの腰痛ということで、かなり心配していましたが痛みが良くなって本当に良かったです。
指導者でもあられるので、これからもご自分の体と一緒に、子供さんたちの体も見てあげられる指導をしてあげてください。
[box class="glay_box" title="まとめ"]
・朝の腰痛やスポーツ時の腰痛は「筋肉の血流不足」が原因のことがほとんど。
・対策は「疲労した筋肉の血流を良くする」「股関節と背骨の柔軟性を高める」「痛みの出にくい正しい動きを覚える」こと。
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